6杣尾の三昧(そまおのさんまい)

杣尾の三昧(さんまい)と六地蔵(ろくじぞう)について

三昧とは、古くは火葬場のあるところを言う言葉で、かつてはここで葬儀が終わると火葬されていました。火葬場には必ず六地蔵さんが置かれてありました。それは「人は死後、六道(地獄、餓鬼(がき)、畜生(ちくしょう)、修羅(しゅら)、人、天)を転生するという六道輪廻(りくどうりんね)の仏教思想があり、六道全てにおいて救済してくれる地蔵菩薩(「地」とは全てのものを支える大地のことであり、「蔵」とは全てのものを生み出す胎内のことです。大地があらゆるものを育てる力を持っているように、人々の苦しみを救い、願い事をかなえてくださるという、優しい大きな心を持っておられる、ありがたい仏様という意味です)が現れる」という六地蔵信仰が平安時代におこり、これから六道に旅立つ死者を守るという意味で墓地の入り口に多くつくられました。

六道とはどんな世界でしょうか

地獄道 ~ 罪を償(つぐ)なわせるための世界で、その罪の重さによって場所が決まっており、灼熱(しゃくねつ)地獄、極寒(ごくかん)地獄、叫喚(きょうかん)地獄、賽(さい)の河原等がある。

餓鬼道 ~ 餓鬼の世界で、腹が膨(ふく)れた鬼の姿になっている。食べ物を口に入れようとすると火になってしまい、飢えと渇きに苦しむ。

畜生道 ~ 牛馬など畜生の世界である。ほとんど本能のままに生きており、使役されるばかりで自力で仏の救いを得ることができない。

修羅道 ~ 阿修羅(あしゅら)の住む世界である。修羅は終生戦い争うとされる。苦しみや怒りが絶えないが、地獄道と違い苦しみは自ら克服できる。

人間道 ~ 人間が住む世界で、四苦八苦に悩まされる苦しみの大きい世界であるが、楽しみや喜びもあり仏になれるという救いもある。

天 道 ~ 天人が住む世界である。天人は人間よりも優れた存在とされて、寿命は非常に長く苦しみもほとんどないとされている。

   

杣尾地蔵堂

六地蔵さん

 

金比羅燈籠(こんぴらどうろう)、聖郷(ひじりご)について

江戸時代は庶民の旅は禁止されていましたが、寺社参拝だけは大目にみられていました。江戸時代中期(1700年)頃になると、金比羅参拝が盛んとなり参拝者の道しるべとして燈籠や標識石がつくられました。東植田にも5ヶ所(杣尾,下司、高様、城、菅沢)に燈籠が残っています。またお金を出しあって講をつくり、代表者がお参りしてお札をお土産に持ち帰る風習が盛んになりました。伊勢講や金比羅講が特に有名です。

聖郷とは、尊い人が住んでいた所という意味で、高野聖(こうやひじり)とか聖人(ひじり)とも呼ばれていました。昔、高野山で修行した僧が来られて当地に住んでいたのであろうと考えられます。住民に仏さまの話や、池や川の築造、橋の架け替え工事などの指導もして住民から尊敬されていました。

その人の塚で別の所にあったが、道路工事のためこの地に移転しました。

現在も、穴吹商店の横、地神さんの隣に聖郷神社としてお祀りされています。

 

  

三昧にある金比羅燈籠 
 
 

 

平成10年に移転して来た聖郷

現地投稿写真