7ひざかけ薬師(ひざかけやくし)
菅沢町にある、写(うつ)し霊場四国八十八ヶ所の最後の札所大窪寺の山頂に薬師堂があります。
ここの薬師仏(やくしほとけ)の膝の部分が傷して欠けています。
むかし、戦乱で薬師堂が焼けてしまいました。
ところがその焼け跡に美しい女の人が現れるという噂が聞こえてくるようになりました。
ある夜、農家の男が田んぼに立っている女を見つけました。
きっとたぬきの仕業だと思い、持っていた鍬で打ち下ろしたところ
ガーンという大きな音がして鍬は壊れてしましました。
見ると女の姿はなく薬師仏がころがっていました。
ところが、それからこの薬師仏が気味悪(きみわる)く光るようになり、不幸も続いたので、男は薬師堂を建て薬師仏をお祀りしました。
すると元の平和になったようです。
欠けた膝の傷はこの時のものと言われています。
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ひざかけ薬師 |
ひざかけ薬師如来 |